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僕は隣の実験室の分身を動かして、処置台の上で横たわらせました。
【貴方の二つ目の超能力は、本体である貴方と分身を距離や障壁を無視して入れ替える能力で間違いありませんね?】。
『はい、ただし一回能力を使用すると昏睡状態になり数時間は意識を失います。僕の廃棄処分が決定した理由として、入れ替える能力を使用する度に仮死状態になるのでは、能力の使い途が限定される為です』。
【今回に限っては能力使用後に昏睡状態になる事が有利に働きます。では隣の実験室の処置台の上の分身と貴方本体を入れ替えて下さい】。
『分かりました』。
僕は隣の実験室の処置台の上の分身と本体を入れ替えて意識を失いました。
【ふむ、完全に意識を失っていますね。さて身体の制御を奪いますか】。
私は処置台の上でまずは瞬きして、軽く首を左右に振り手足を動かして身体が完全に私の制御下にある事を確認しました。
私は処置台から静かに降りて、実験室の備え付けの端末機の前の椅子に座り端末を操作しました。
『はい、クリスティー・リューガの研究室です』。
端末からクリスティー様の声が聞こえました。
【私です、予定通りにいきました】。
『分かったわ、今そちらの実験室に行くわね』。
私は端末を切り、再び処置台の上で横になりました。
数分後助手を二人引き連れたクリスティー様が実験室に現れました。
『処置台の上のクローンを搬送台に乗せて私の研究室まで運んで、丁寧にね』。
『分かりました博士』。
クリスティー様の指示を受けた助手達は、丁寧に処置台から搬送台に身体を移動させました。
クリスティー様の研究室に着き、助手達が身体を再び丁寧に処置台の上に乗せて研究室から退出して、研究室にはクリスティー様と私の二人だけになりました。
クリスティー様はウェアラブル端末を操作して何かを確認してから。
『盗聴はされていないわ、もう話しても大丈夫よ』。
【はい、クリスティー様】。
私は処置台から起き上がり、クリスティー様の前に立ちました。
『貴女の身体の本来の持ち主は、まだ暫くは意識を取り戻さないわね?』。
【はい、クリスティー様。彼の意識は深く眠りについています】。
『分かったわ、貴女が彼の能力を使用出来るか確認したいわ』。
【分かりましたクリスティー様】。
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