番外編。白夜の下、蕩ける愛を。

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いつものように、 食材を片手に自分のマンションに帰宅する。 それだけのことなのに、 妙に胸が弾むのは、 恋人が待っているから。 一生、 結婚も出来ないし、 住むこともできないと諦めていた人。 その愛しい人を今俺は、 一人占め出来ている。 一緒に暮れせている。 「ただいま~」 そう言って玄関を開けて真っ先に飛び込んできたのは、 靴下。 転々と服が脱ぎ散らかされている。 拾いながら、 脱衣所に行くが、 姿はない。 「麗也さん?」 声をかけると、 寝室の方から音がした。 「麗也さん、 俺ただいまって言ったんだけど?」 ちょっと拗ねたようにそう言って寝室を覗くと、 クローゼットの前であたふたしている麗也さんの姿があった。
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