番外編。白夜の下、蕩ける愛を。

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26歳の俺には出せない艶は、 人生経験の違いからかもしれない。 俺の恋人の麗也さんは、 44歳。 あげくに親友の父親。 黙っていたらまだ30代前半ぐらいには見えるんだけど、 それを言うとしょんぼりするから言えない。 職場でももっと威厳を持ちたいのに見た目が若いせいで出来ないと悩んでいる。 そんな所も可愛いんだけどさ、 威厳云々言う前に、 一人で生活できるぐらいの能力を身に付ければいいのに。 ――身に付けれないから、 俺なんかから逃げれないんだよ。 なんて言えたら面白いけど。 チーズを切り分けて、 グラスにワインを注いで、 生ハムをパスタに乗せていたら、 網戸を開けて麗也さんが俺の手元を見ている。
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