番外編。白夜の下、蕩ける愛を。

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「花火と言ったら、 枝豆にビールぐらいの簡単なものでいいんだよ!」 申し訳なさそうに言う麗也さんが愛しい。 「でも全部、 麗也さん好きだろう?」 「……まぁ、 そうだが」 ちょっと俯いて頬を染める麗也さんが可愛くて、 満足しながらもビールと枝豆も用意する。 「君は、 イケイケな見た目とは裏腹にしっかりしてるよね」 「ぶっつ イケイケって」 頑張って若い言葉を使いたいのだろうが、 還って年齢を感じさせて面白い。 「父は仕事で帰らないし、 母親は何人も変っちゃうだろ? 俺はあの婆さんに育てられたんだから、 仕方ないじゃん」 そう言うと、 途端に麗也さんは顔を曇らせる。
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