ultra soul

競技会の後

大会はまだ先だが、今週末に友好関係にある４大学の競技会がある。

コーチからは大会に向けて調整すればいいとは言われているけど、正直小さな記録会でも中途半端な記録は残したくない。

結果は２位に１秒半の差で勝ったが、ベストにはあとコンマ８足りない。

やる気とは裏腹に結果が現れない。
おまけに、周りの目はオレの記録がどこまで延びるか、それしか見ていない。

たとえ勝っても、落胆の目でオレを見て、あげく
『こんなチンケな競技会じゃ手を抜いてるんだろう』
と言われる始末。

モチベーションを維持するのが難しい。
いや、オレはやる気満々なつもりだ。
しかし、たまに心が折れそうになる。

啓祐みたいに陸上競技を知らない友人の中には
『たまには気晴らしに行こうぜ』
と言われるが、今はこのリズムを崩すのが怖い。

本当は、競技会の後も走りに行きたかったがコーチから
『今日は走るな』
と言われ、それに紗枝が待っていてくれたから勝手にトレーニングに行くわけにもいかない。

なんとなく他校の部員からは
『競技会終わって彼女とデートかよ』
という目で見られている気がして、紗枝に対して少し素っ気ない態度で接してしまった。