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「おじいちゃん、波があるから…」
「わかってるよ」
帰り道、少なからずショックを受け黙っている俺に、母はやっと話し出した。
「あなたが生まれた時…泣いて喜んでくれてたのよ。そうそう、中学の入学式の日、制服を着たあなたを見て、おじいちゃんが一度だけ言ったの。『兄さん達によく似ている…』って。そりゃあ嬉しそうに…満足そうな顔でね」
「は?どこが?ちっとも似てないよ?」
「さあ…おじいちゃんの中では、満足しているんだからいいじゃない。『立派な長男だ』って、誇らしげな顔をしていたわ」
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