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俺が中学の頃、祖母が原因不明の病気で倒れ入院した。
祖母のもとに連日通っていた祖父も、一ヶ月後、畑仕事の最中に倒れ別の病院に運ばれた。
原因は脳血栓と言うことで手術もしたが、今度はアルツハイマーだと診断された。
家族は戸惑いと混乱の中、それでも病院に任せるしかどうしようもなく、ただ毎日、父と母が病院に通う日々が続く。
そんな中、祖母は祖父の状態を全く知らず、顔を見れない寂しさを抱えたまま、入院から僅か三ヶ月で逝ってしまった。
『危ないから車を乗っていない』と言う俺達の苦しい嘘を、本当は気づいていたのかもしれないが…。
それでも祖父は、詰まっていた血が流れたことや、まだ年齢が若かったことも原因なのか、症状はどんどん加速するばかりだった。
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