~* ペンデュラム(Pendulum) *~

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祖父が倒れて何年か経ったある日曜日――― 俺は祖父に会いに行くと言う母親について行くことになった。 まともに顔を合わせるのはいつ以来だろうか… そんなことを考えながら、皆が集まるフロアにやって来た。 祖父は…… 俺たちの顔を見つけると、見たことのないような表情になった。 (この人が…じいちゃんなのか?) 穏やかに微笑む、好好爺そのままの老人は、やはり何度見ても自分の祖父だ。 だが、俺が知っている祖父は、厳しく口煩い存在で、こんな顔をしていた覚えがない。 「来てくれたのか…」 弱々しくはあるが、それでも声は祖父の声…。 「よく…来てくれたな…」 「あ…ああ。母さんが『行こう』って…言ったから……うん」 嬉しそうな祖父に、返す言葉は愛想がなく、粋な返答ではない。 「……さん家の息子さんが…」 母は慣れているのか驚いた顔もせず、祖父の知りうる範囲の近況を話す。 「そうか…そうか…」 そんな話に頷きながら祖父は母に返答している。 (しっかし、本当にお年寄りばっかだな…) そう思いながら回りを見回してる時だ。
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