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『逃げずに、自分と、向き合ってくれませんか。リリコちゃんの為に』
数時間前、リリコの部屋で花房医師が言った。
竹山は何も返せなかった。
手にあるメモの切れ端をポケットに入れ、ノートの山の前に座る。
みっつの同じ高さにしてあるのが、あいつらしいなと顔が少し緩む。
手を伸ばすが、掴む前に止まる。
目を閉じ開け、部屋を見回した。
懐かしさを覚える空間は、実家の居間を思い出す。
竹山は、部屋の隅に仏壇を見つけた。
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