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ミワが微笑みかけてくる。彼女らしい優しいふんわりとした、だがどこか照れたような笑みだった。
「負けてもいいだろう? 俺はカズマじゃないんだ・・・」
意識が闇に落ちようとする。その時、不意に体が持ち上がる感覚がした。
「なんだ?」
と思ったら頭から地面に叩き付けられていた。
「ぐはあああ!」
「どうだ? 目が覚めたか? 糞野郎」
目を上げると、アーノルドに乗ったランとヒエバナが自分を見下ろしていた。
「お、起きたな」
「まだ起きないようなら銃で頭を撃ち抜くところでした」
「ヒエバナさん、大丈夫だったんですか・・・?」
「ええ、あなたが助けてくれたので」
「まだ戦いは終わっていない。きびきび働いてもらうぜ。カズマ!」
「でも、俺には戦う理由なんて・・・」
「細かいことはいいんだよ! お前はいつも通りデッドエンドスパークスってやつを決めて敵を倒せばいいんだ! お前はカズマだろ!」
「組織に裏切られて道を見失ったのはわたし達も同じです。あなたがわたし達と一緒に来て下さるなら嬉しいです」
「ランさん・・・ヒエバナさん・・・」
カズマは飛び立った。ランとヒエバナとともに。
壊れたクローンを再生し、タクトの破壊活動は続いていく。クローンの数は増やせない。中枢となるMAUYOUを砕けるのはカズマだけだからだ。
タクトにとって世界はいらつくだけの存在へと変わった。
遠くその景色を見て、ランは言った。
「時間が無い。奥の手で行くぜ!」
「奥の手?」
「でも、あれはまだテストもしていませんよ」
「テスト?」
「ぶっつけ本番ってのは嫌いじゃない。合体だ!」
「了解、合体シークエンスに入ります」
「えええーーーー!!」
カズマがわけも分からないうちに複数のアーノルドは変形し、メザニン号も呼び寄せて合体した。そして、巨大ロボ。スーパーダーンカイザーが誕生した。
「メインはお前に任せるぜ。デッドエンドスパークスはお前にしか使えないんだ。わたしが任せるって言ってるんだからしっかり仕事をしてもらうぜ」
「俺が・・・やるのか・・・?」
「カズマさん、しくじったらあなたの頭を撃ち抜きます」
「俺に・・・出来るのか・・・? こんな俺に・・・?」
その巨大な姿にタクトも気が付いた。
「なんだい? その姿は。カズマ、君はまだ何かをやろうって言うのか?」
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