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「はは、俺じゃホストはできないよ。
俺はキャバクラのボーイしてるんだ」
「ふーん。キャバクラのボーイ、ねぇ。
別にホストでもいけそうなツラしてんのに」
美味しそうに焼けた肉を皿にとって目の前のタゴサクを見る。
「お!?トモちゃん褒めてくれんの?」
「別に。そう思ったから言っただけ。
てか、早く食べなきゃ焦げるわよ」
私はそう言いながら肉を一口で頬張る。
むぐむぐ…うん、うまいっ。
人の金で食べるご飯は特別に美味い。
財布の事考えなくていいし。
今日、仕事をクビになったウップンもこの一口でずいぶんとすっきりとした。
「でさ、トモちゃんは何の仕事してんの?」
……。
今さっき、嫌なこともスッキリしかけたのに、コイツ何をぶり返してんだよ。
私はまたイライラとする。
「さっきまでイベントコンパニオン、だった」
「さっきまで?だった?」
「そ。アンタに声かけられる直前に仕事クビになったの。
だから今はぷーさん」
私はまた肉を口に放り込んだ。
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