序章

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人間は生まれながらにして不平等である―― 私はそう思う。 裕福な家庭に生まれる子。 貧しい家庭に生まれる子。 愛にあふれた家庭に生まれる子。 愛に渇いた家庭に生まれる子。 生まれた時点で、人は不平等な環境に置かれる。 人生のスタートはそれぞれ、不平等な位置からスタートするのだ。 そして人は成長すれば得手不得手がでてくる。 スポーツの才能のある子。 勉強の才能のある子。 コミュニケーション能力のある子。 要領のいい子。 当然、逆もある。 出来ない子だっている。 その事によって苦労を多くする人もいるのである。 努力によって成しえるものもあるだろうが、生まれ持っての環境・個性がそれぞれ違うという事。 そしてその個性によって、人は他人に評価されながら生きる時代。 本当に、この世は不平等だと思う。 そんな不平等な世の中に、私は最高の個性を持って生まれ落ちた。 それは――美貌。 男の誰もが振り向き心惹かれ、女の誰もが羨むほどの美しさ。 私は見た目完璧な人間としてこの世に生を受けたのだ。
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