嬢王様の誕生

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「あー、もうっ。ツイてないっ!」 日が沈む夕暮れ時。 最悪な気分で私は町を歩いていた。 「なんで私がクビなのよ」 私は今日、仕事をクビになったのだ。……理不尽な理由で。 「あー、思い出しただけでもむしゃくしゃするっ!」 私は今日の事を思い出して、道に落ちていた空き缶をガンと蹴った。 美味い物でも食べなきゃ、気がすまない。 イライラしながら適当によさげな飯屋を探していた。 その時。 「ねぇ、彼女ー。一人?」 後ろから誰かに声をかけられた。 「は?見てわかるでしょ」 一人で歩いてるんだから一人でしょ。 わかりきったことを聞かないでほしい。 イライラしながら振り向くと、そこには長めの茶髪に黒のスーツの、チャラそうだけど整った顔立ちをしたイケメンがいた。 ホスト? 「そんなに怒らないでよ、ごめんごめん~」 謝るくらいなら、話しかけてこないでほしい。
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