シカイノハシ
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私が彼に初めて会ったのは、中学校の入学式の帰りだった。 学校の近くにある大きな桜の木の下。 それを見上げながら近付いた私を、彼は勢いよく振り返り、 「なんだ」 とつまらなそうに呟いて、また桜の木を見上げた。 「何してるの?」 私がそう尋ねると、彼は私の方なんか見もせず、 「言っても分かんねーから言わない」 と、可愛げ無く答え、 「帰る」 と言って、その桜の丘を下って行ってしまった。
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