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「おっはっよー 悠紀ちゃーん。 おっひゃよー^^」
めっちゃ目立っとる……
朝のラッシュ時間帯だ。
人口密度の低いこの地域でも、さすがに今は人が多い。
信号を待つ周りの人が、誰? 誰?? さあ? と首をかしげている。
あんまり目立ちたくないウチとしては、信号を渡ってから返事をしようと思うのだが……
このまま無視して信号待ちをしていると、ちょっと迷惑かもしれん……。
「あ、あは……」
遠慮がちに、胸の前で小さく手を振る。
こちらの返事を目視し、佳弥はようやく満足したのか、両手を振るのをやめた。
周りの人達も、姫乃の挨拶にウチが反応した事を確認すると、それぞれが元通りの行動を再開する。
スマホをいじるおじさん。HMDデバイスを着け指先で空を切りつつ今日の株価を確認している証券マン、指向性ヘッドホーンからお気に入りの音楽を垂れ流すお兄さん。
それぞれが、自分の世界に戻っていく。
ウチの事を気にする様子は無い。
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