未知との遭遇

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高山の言葉を遮ってまで忠興がご丁寧に指差しまでして指摘した通りだ。金糸交じりの漆黒の上、同じ色合いの『何か』がぺったりと腹這いに張り付いている。本人と同じく不遜な表情で周囲を見渡し、反応に困っている他の面々を窺っているようだ。 微妙な空気が流れる中、沈黙を破ったのは芝山だった。 「ちゅーか、こん流れ…『他』も居るんですかね?」 恐る恐る呟かれた疑問符に、眉間に深い皺を寄せた古田が卓上を叩く。反動で僅かに跳ね上がる頭上の『古田』に構う事無く彼は叫ぶ。 「探せ!宗匠に見つかってはならん!!」
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