黒い袋

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あれから数ヶ月が経ち、母親に変化が起きた。 俺がまだ生後数ヶ月の頃の事…微かに記憶が残っている。 俺はいきなり母親に抱き上げられた。 何処かに連れて行ってくれるのを心待ちしていた俺。 …だけど本当はそんな事ではなかった。 俺の目の前が真っ暗になった。 …そう、俺は母親に黒いゴミ袋に入れられたのだった。 母親の顔が見えなくなり、母親は俺が入った袋を縛り、ゴミ箱の中へ入れ蓋をした。 暗くて、狭くて、息苦しくて…俺は大声を上げて泣きじゃくった。 意識が無くなろとしてたその瞬間…「オカン!!何アホな事しとんのよ!!」姉ちゃんと兄ちゃん、そして姉と兄の友達の声がした。 …でも俺は疲れて泣く力も残って無かった。 俺に気付いていない姉ちゃんらは、先に自殺をしようとしていた母親を助けたらしい。 その後、俺も姉ちゃんらに助けてもらった。 母親は、生きていくのが嫌になり自殺しようとしていたが、俺をほって逝くが可哀想で俺を道連れにしようとしていたらしいのだ。 …今思えば有難迷惑な話しだけどね(笑)
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