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千晃Side.
校庭。
大好きな彼に言わなきゃいけないことがある。
何も知らない彼は、にこにこして歩いてる。
どうしよう。ホントは言いたくないよ…
でも。
「あたし、真司郎と付き合うことになったから。」
できるだけそっけなく言う。固まる彼。そして…
「ごめんね。別れよう。」
これでいいんだ。誰にも迷惑をかけない。
泣きそうだったからすぐ逃げてきた。
本当は追いかけてきてほしかった。つかまえて抱きしめてほしかった。
ほら。あたしは弱い。もう後悔してる。自分でこうするって決めたことなのに。
涙が溢れ出す。今は、戻ってホントのキモチを伝えることもできない、ただの弱虫になっちゃった。彼がいないと、何もできない。
「隆弘…」
名前を呼ぶことしかできなくて、さみしくて、あたしは誰かを利用する。
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