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…あなたを傷つけた痛みの方が…もっと痛いの分かってるから…
「…トシコ!…トシコ!!…」
だから、昴によく似た赤ちゃんのあなたには、そんな痛い思いはさせないよ…
死んでも尚、守ってくれる昴…
本当はずっと大好きでした…
私の命と引き換えに…守ってくれた恩返しくらいはさせて下さい…
鉄筋は最後に私の頭を打って、私は力尽き倒れた。
「…分かったよ…トシコ…もう瞳を閉じていいよ…我慢なんてしなくていいから…俺がおまえをもっと幸せにしてやるから…怖がらずにいろ…一瞬で…おまえの願いが叶うから…」
昴…
昴の声が聞こえても…聞こえなくなっても…
昴の姿がどこにも写らなくなっても…
神様…もう私の命を、どうかここで終わらせて下さい…
いや違う…
私の神様は昴だから…
私はいつだって…
彼の言う事を聞いていれば、幸せな生活が…
幸せな未来が…
待っている…
昴との幸せな生活…
昴と…
同じ…
昴と…
す…ば…る…
す…ば…る…
…………………
…………………
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