1…見知らぬ男の子

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中学一年生になっても、どことなく毎日つまらない日々を送っていた。 あぁ!早く帰りたい!家に帰りたい! 公園の前をわざとらしく通る。 大好きなアイツに会えないかなぁ…って。 「おい!」 「うげっ!」 呼び止めたのは、永田 昴。 分かってたのに、嬉しいくせに、変に嫌な態度を取ってやる。 「弟に伝えといてくれ、週末なら家に居るから、いつでも遊びに来ていいよって」 「はいはい」 永田 昴は私立の中学に通っているもんだから、公立の中坊みたく丸刈りじゃない。 だから、本当に本気でカッコよかった。 しかも学ランが、紺色。 並の普通の中坊とは違っていて。 私立ってだけで、頭の出来が違いますから~。 みたいに、私の自慢の知り合いの男だった。 奴は愛想もなく、用事だけ言って、さっさと家の中に入って行ってしまった。 …コイツ、口も悪いし、感じも悪いし、目付きも悪いのに、輪を掛けてスコブル冷たい態度。 半分、嫌な奴! でも半分は、そこがカッコいい! そのまま嫌な奴のままで居ろ! そしたら絶対に女の子にモテたりしないはずだから! ってかなり自信満々の私であった。 弟や男友達には、受けが良くて、いつも楽しそうに近所を自転車で走っている姿を目撃していた。 公園の夏の盆踊りで、弟とアイツに遭遇して、浴衣姿の私を見られてドキドキした事もあった。 「今度の夏祭り、みんなで行こうよ」 って話になって、私の中学の友達と弟とアイツと行く事になった。
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