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あの時から、本当に本当に大好きな人になってて。
しかも、私とも仲良くしてくれるようになって、というのかストレスの捌け口みたいに、言いたい事を言いたいだけ言ってくるようになって、更に距離が縮まった気がした。
高校の時はテストの勉強を、図書館で見てくれたり。
友達とか、親だとかの悩み事も聞いてくれて、
「おまえ悩み過ぎだぞ、それ。頭悪いんだからもっと単純に考えろよ」
なんて言ってくれちゃってさ。
でもね、本当の私の昔から頭を痛めてる悩み事は、あんたの事なんだよ?
ずっと、いつも毎回聞きたい事があって。
《好きな人居るの?》
って。
私の見解では、今の所彼女と呼ばれる女は居ない気もするんだけど。
だって、コイツ、私立の男子高校に通ってるから。
弟にも、もちろん探りは入れて貰ってるけど。
「ソフトクリーム買ってやるから、頭ちょっと冷やせや」
最近はやたらと、お兄ちゃんヅラしてくるの。
頼れるから頼りっぱなし。
だけども、それだけじゃ不満だったりもして。
変な所でブータレて甘えてやる。
私だけを見て?ってね。
昴は、カバンから財布を取り出した。
その時、可愛いキーホルダーが、カバンから落ちて、少しだけ私は戸惑って勘ぐる。
やだ、何これ…。
「あっ、落ちたよ」
「あぁ、悪い」
拾って手渡す。
その後、何も付け加えて話さないコイツにムカついて、私から聞いた。
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