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「私と電話で話したいの?私の声が久しぶりに聞きたくなっちゃった?あんた私の事、好きなんじゃないの?ってか会いたいなら、素直に会いたいって言っていいんだよ?」
独り言をブツブツと私は言って、嬉しくて楽しむ。
「どうしても私と夏祭り行きたいんならぁ、条件として彼氏になってくれたら一緒に行ってやってもいいよ?…な~んちゃって。昴、大好き☆」
更に更に独り言で、自分の気持ちを自分で受け止めながら盛り上がる。
でも結局この夜は、一人でテンション高まって電話をしないまま過ぎてしまった。
進路相談で、私はちょっと友人同士で嫌な事があって、トラブルになりたくないから、こっそりその腹に溜まったムカツク事を家に持って帰ってきて、更には親と口論になった事があった。
行き場のない私は、誰にも答えすらも出して貰えないと、もうどうしたらいいのか、訳が分からなくなって、思わず握り締めていたのは、昴の携帯電話の番号の紙切れだった。
本当は進学よりも就職したかった。就職よりもパート勤めをして働きたかった。
パートじゃなきゃ、募集は取らないお店があって。
短期募集で行った時に、すごく単純に楽しかったから。
続けられる事。
楽しんでやれる所。
そうやって自分の人生を選んで、何が悪いんだろうって思ってて。
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