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昴は一瞬黙ってて、私の言葉に驚いたみたい。
「そうか、大学は行かないのか。で、就職するのか?どんな会社で働きたいんだ?」
「うん、これ言うとね、友達とかクラスメートに笑われちゃったんだけど。笑わない?」
「笑いはしないけど、助言はするかもな。言ってみろ?」
私は昴の優しい言葉に、涙を流しながら伝えた。
「短期の間、アルバイトしていた雑貨屋さんが有ってね。お茶も飲めるんだよ?凄くない?」
「それで?」
「そこは正社員としては雇ってなくて、長時間のパートなら雇ってるの。私はそこで働きたくて。楽しそうだし、遣り甲斐もある気がするの」
「遣り甲斐ねぇ。何かをするのに楽しそうだからって理由が、俺にはちょっと引っ掛かるけどな。俺は学生だけどアルバイトをして金を作ってる。楽しさなんて更々求めちゃいない。とにかく仕送りを減らすために、自分で働いた金で遣り繰りしたいだけだから。金のためだけだな」
「楽しいだけじゃない事は分かってるよ?でも続けて行ける事をやりたいもの。でもそれを言うと、みんなは笑うの。親にも話したら、進学して大学に通いながらだってアルバイトで働けるだろ!って怒られちゃってムカツクゥ」
「確かにな。でもさぁ、親の気持ちも少しは悟れよ。今笑う奴らは、気にしなくていいよ。ただ親はなぁ、おまえが今後の人生で、誰かに笑われないようにと思って言ってんだぞ?なぁ?」
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