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「要らん世話じゃ」
もぉ、私の悩みなんだから。
私だけのフォローしてよ。
「おまえも親と離れたら、きっと分かるよ。そういうの」
まぁね、私はずっと親と住んでるから。
「俺は自分から大学に行きたいって親に頼んで神戸の大学に行かせて貰ってるからなぁ。地方の大学だから金もかかる。でも、大学出て、就職を有利にするため。それで親に今まで支払って貰った分を返済するんだって思ってるんだ」
自分が今まで知っていた昴は、知らない間に大人になってて、私は何も言い返せなくなって黙って話を聞いていた。
「昴も、就職しろって意見なの?」
「違うよ。おまえの人生だからおまえが出した答えが正解だと思ってる。だけどそれで失敗しても、後悔しても、おまえ自身が決めたんだから、誰のせいにもすんなよ。それだけは俺と約束しろ?」
「うん、分かった。ありがとう」
「夏に帰るから、気晴らしにちょっと俺に付き合ってくれるか?俺がイイモノ見せてやるよ」
「うわぁ、本当に?!」
私はこの日、なんだかやたらと素直に昴の言葉に反応していた。
この人が、居てくれて良かった。
この人に、話して良かった。
本当に心の底から昴の存在に感謝した。
やっぱり、昴、大好きだよ。
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