3…12年後にまた

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夏休みに、昴は実家の愛知に戻って来て、私の家に私を訪ねてやって来る。 「いやぁ、昴さん、久しぶりっすねぇ」 弟が嬉しそうに近寄って来る。 「あらあら、本当に見違える程の好青年になってまぁ」 母も駆け寄って、馴れ馴れしく話掛ける。 「いいえ、とんでもない。御無沙汰してます。相変わらず、僕もこんな調子です」 律儀に挨拶をしている。 大人じゃ~ん!! そんな彼の今日のご指名はもちろん! この、ワ☆タ☆シ☆ 「行ってきまーす」 浮かれ次いでで、聞いてやる。 「ねぇ、どこ行くの?」 「山奥」 「はぁ?ちょっとぉ、それって女の子の夏の薄着を狙って、もしかして、いかがわしい誘いなんじゃないでしょうねぇ?(笑)」 免許取り立ての昴は、きちんと両手ハンドルで安全運転。 「ねぇねぇ聞いてんの?私のオモシロ、ツッコミ」 「聞いてるよ。ちゃんとバカにして聞いてやってんだから、心配するな」 うげっ、コイツ、ムカツクなぁ。 「おいおい、初心者ちゃんよぉ。偉そうに言ってくれちゃってぇ(笑)」 「あんま、うるさいと山奥で降ろすぞ」 「えっ?山奥で犯すぞ?!変態!スケベ!いやらしいー!」 わざとらしく下ネタで言い返して、私は全力で照れ隠しってやつで誤魔化す。 ペラペラ一人で無駄に喋って、大袈裟に笑って隠していたけど。 昴は真面目だから、ちゃんと無言で赤面していた。 「あっ、ごめん」 ちょっと調子に乗り過ぎた。
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