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本音はね。
昴だったら、私をあげてもいいよ。
その代わりに、私を昴の彼女にして欲しい。
いや、もっとおねだりするなら、昴のお嫁さんになりたいな。
だって、ずっと片想いなんだもん。
どっかの、何かの、キッカケで。
自分の気持ち、素直に伝えたいって。
本当はずっと大好きでしたって。
ありったけの気持ちを込めて、伝えたいんだぁ。
どうして、私をデートに誘ってくれたのかも知りたいけど。
それよりも、好きって伝えたい…。
意識すると手足が震えちゃう。
力が入らなくなっちゃう。
横顔、凄くキレイだもんなぁ。
指も、こんなに長かったかなぁ。
この白いポロシャツに、夜の光が昴の色白の頬に反射して、私は凄くドキドキして助手席に乗っていたのを、今でも覚えている。
「今夜は12年に一度見える、流星群が飛ぶ日なんだ。知ってた?」
「でも、あんまり見えないみたいな話を、ニュースで聞いた気がするけど」
もう少し真っ暗な闇の広がる山道を走る。
「見せてあげるよ。ちゃんと肉眼で。実は買ったばかりの天体望遠鏡も後ろに積んでるからさ」
「これ?殺人遺棄の道具だと思ってた(笑)」
「おまえ、相変わらずムード壊すよな」
あっ、でも笑ってる。
ちょっと、私も照れちゃってさぁ。
ついつい、どうでもいい話をして、誤魔化しちゃうんだな。
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