3…12年後にまた

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本音はね。 昴だったら、私をあげてもいいよ。 その代わりに、私を昴の彼女にして欲しい。 いや、もっとおねだりするなら、昴のお嫁さんになりたいな。 だって、ずっと片想いなんだもん。 どっかの、何かの、キッカケで。 自分の気持ち、素直に伝えたいって。 本当はずっと大好きでしたって。 ありったけの気持ちを込めて、伝えたいんだぁ。 どうして、私をデートに誘ってくれたのかも知りたいけど。 それよりも、好きって伝えたい…。 意識すると手足が震えちゃう。 力が入らなくなっちゃう。 横顔、凄くキレイだもんなぁ。 指も、こんなに長かったかなぁ。 この白いポロシャツに、夜の光が昴の色白の頬に反射して、私は凄くドキドキして助手席に乗っていたのを、今でも覚えている。 「今夜は12年に一度見える、流星群が飛ぶ日なんだ。知ってた?」 「でも、あんまり見えないみたいな話を、ニュースで聞いた気がするけど」 もう少し真っ暗な闇の広がる山道を走る。 「見せてあげるよ。ちゃんと肉眼で。実は買ったばかりの天体望遠鏡も後ろに積んでるからさ」 「これ?殺人遺棄の道具だと思ってた(笑)」 「おまえ、相変わらずムード壊すよな」 あっ、でも笑ってる。 ちょっと、私も照れちゃってさぁ。 ついつい、どうでもいい話をして、誤魔化しちゃうんだな。
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