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荷物を纏めて引っ越してきて、半年が過ぎた。
もちろん私の部屋は、昴の部屋で。
彼の面影を残しながら、彼のベッドで眠り、彼のベッドから朝を迎える。
隣りには、静かに添い寝をしてくれる昴。
「…おはよう…」
「…おはよ…」
今年の8月には流星群がまた夜空を走る。
そんなニュースが流れていて。
早いね、昴。
もう12年が経つんだね。
「…俺が死んで12年か…」
私は、昴のお父さんが作ってくれた朝食を食べて、しみじみニュースで流星群の説明を聞いていた。
出勤時刻に慌ただしく出掛けて行ったものだから、せっかくお父さんが毎朝作ってくれる、手作り弁当を忘れてしまった。
しょうがない、コンビニ弁当にでもするかぁ。
うちの本屋の隣りには、どうやら大きなオフィスビルが立つようで、この辺りの地元もだいぶ栄えて、昔の面影を無くしつつあった。
変わらないものが、あるならば。
私の昴に対しての愛だ。
そして、昴の私への愛だ。
「ちょっとお弁当買いに行ってきますね?」
休憩になって、一緒に食事をするおばさんに一声掛ける。
「あれ?珍しい」
「忘れちゃったんですよ」
帰ったらちゃんと、お父さんの作ってくれたお弁当を食べなきゃ。
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