25…ごめんなさい、本当はずっと大好きでした。

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「気を付けてね、隣りのビル、足場外してるみたいだから」 「はい。すぐ戻りますから、先に食べて待ってて下さい」 おばさんたちに頭を下げて、休憩室から出て、財布を片手にビルの前を歩いていた。 私の目の前を歩いている親子。 お母さんの手を引っ張ったりして、小さい男の子が落ち着かない感じで歩いていた。 お母さんは片手でベビーカーをひいて、大変そう。 「…何?気になるの?…」 幽霊の昴が私に問い掛けた。 全然。いや、大変だなぁ~って思っただけ。 「…もしかして、ちょっと子どもが欲しいなぁとか思ってない?…」 何言ってんの?恥ずかしいなぁ。 だいたい、そんな無理な事。 いくらなんでも願わないよ…。 「…本心?…それ?…」 私が頷こうとした瞬間、男の子が手を離れて歩道の方へと突然駆け出すから、目の前のお母さんは慌ててベビーカーから少しだけ離れた。 「こら!どこ行くの!ちょっと!待ちなさい!」 戸惑いながら、ベビーカーを見つめている。 誰か付いてないと! 私はベビーカーに、とっさに駆け寄って、そのお母さんに告げる。 「私、とりあえず付いてますから(笑)」 「すいません、本当に…」
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