26…星になった夫婦

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蝉の声… 葉の揺れる音… 私は眩しくなって目を覚ました。 まだ、瞼を上げられる事に妙な気持ちになった… 天井… 時計の秒針の音… どこかで見た空間だった。 私の胸には、長くて太い腕がフワリと乗っかっていて… 赤ちゃんの匂いがして、薄めで横を見る。 色白の艶やかな肌をした、真っ直ぐな睫毛をした、どこかで見掛けた赤ちゃん… その子の胸にも、私を包む腕が優しく乗っかっていた。 ………。 そして、その腕を辿って… 向こう側に居たのは、赤ちゃんと同じ顔をして眠る昴。 私はその穏やかな二人の表情を、頭を傾げながら見つめていると、昴の瞼がゆっくり上がって、すぐに私を捕らえた。 「…いつの間にか三人で、昼寝しちゃったんだな」 「えっ?…あぁ…うん…そうなのかなぁ…」 当たり前のように言うから、私は相変わらず戸惑った返事をする。 「これ夢なのかなぁ…それとも夢を見てたのかなぁ…」 「何言ってんの?トシコ…」 昴は少しだけ起き上がり、赤ちゃんを見つめる。 「結婚して、子どもが出来て、これがトシコが願っていた毎日だろ?…いつも願うのはおまえで、叶えてやるのは俺の役目…。そうやって今までだって、やって来てたじゃん」
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