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「もう、うちの子も言い出したら聞かないもんだから、こんな子ども同士の事で、わざわざ私ら親が来てしまって申し訳ありませんでした」
色白の痩せチビ男の、両親は苦笑いをしていた。
どこがメチャクチャ怖い親だ。
嘘つき!
うちの親のが、よっぽど怖いわ!
と、思いながら私は相変わらずお父さんに、頭を何度もド突かれていた。
「いえいえ、男勝りのじゃじゃ馬で、こちらこそ大切なお子さんに申し訳ない限りで」
「公園の側に先週引っ越してきたばかりで、あまりこの辺りを知らないもんですから、これを気に仲良くして頂けたら、助かります」
「そうでしたかぁ、こちらこそ宜しくお願いします」
子どもながらに、何、仲良く笑い合ってんだよ、コノヤロー!って一人で私は拗ねていた。
だったら私がこんなに悔し涙を流した意味がなくなるだろう。
だなんて、思っていたんだけど。
やっぱり、コイツの顔はまだ怒っていた。
と言うより、誇らしげに睨んでくるから、負けまいと私も涙目で睨み付けてやる。
「改めて永田と申します、今後とも宜しくお願いします」
「こちらこそ、黒沼です。宜しくお願いします」
結局、私と弟は、この感じの悪い男の子と握手をして、友達になった。
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