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中学一年生になっても、どことなく毎日つまらない日々を送っていた。
あぁ!早く帰りたい!家に帰りたい!
公園の前をわざとらしく通る。
大好きなアイツに会えないかなぁ…って。
「おい!」
「うげっ!」
呼び止めたのは、永田 昴。
分かってたのに、嬉しいくせに、変に嫌な態度を取ってやる。
「弟に伝えといてくれ、週末なら家に居るから、いつでも遊びに来ていいよって」
「はいはい」
永田 昴は私立の中学に通っているもんだから、公立の中坊みたく丸刈りじゃない。
だから、本当に本気でカッコよかった。
しかも学ランが、紺色。
並の普通の中坊とは違っていて。
私立ってだけで、頭の出来が違いますから~。
みたいに、私の自慢の知り合いの男だった。
奴は愛想もなく、用事だけ言って、さっさと家の中に入って行ってしまった。
…コイツ、口も悪いし、感じも悪いし、目付きも悪いのに、輪を掛けてスコブル冷たい態度。
半分、嫌な奴!
でも半分は、そこがカッコいい!
そのまま嫌な奴のままで居ろ!
そしたら絶対に女の子にモテたりしないはずだから!
ってかなり自信満々の私であった。
弟や男友達には、受けが良くて、いつも楽しそうに近所を自転車で走っている姿を目撃していた。
公園の夏の盆踊りで、弟とアイツに遭遇して、浴衣姿の私を見られてドキドキした事もあった。
「今度の夏祭り、みんなで行こうよ」
って話になって、私の中学の友達と弟とアイツと行く事になった。
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