1…見知らぬ男の子

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もちろん私の友達は、私が永田 昴を好きだと言う事は知っていた。 だから余計に、無理矢理こじつけて話を取り繕ってくれたのだ。 「任せて任せて♪」 嬉しいくせに私は強がる。 「余計な事しなくていいから、シーッてばぁ」 「人数多めで出掛けて、後は当日調整しながら、少しずつ外野は散っていく作戦♪」 「いいね、それ♪楽しみぃ♪」 別の友達も、他人の恋愛事になると、やたらと張り切るのだ。 「帰りは、昴くんの自転車で2ケツで帰んなよぉ?」 「そうそう、絶対家まで送ってもらいなねぇ?」 盛り上がってる中、ブッた斬ってごめんね。 「たぶん、それはないね。アイツ、性格悪いし、女子には不親切が売りだもの」 私は、簡単にアイツを優しい男だと思わせたくなくて、とんでもなくアイツを鬼だと貶してやる。 「マジかぁ」 優しくされた事は、本当にその頃は、一度もなかったから。 でも、予想外に早くはぐれてしまった時に、人混みの中で、ずっと冷静に私の側に居てくれた。 それだけで、私は優しくされた訳でもないのに、二人っきりで近い距離で居られた事が嬉しくて堪らなかった。
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