22…昴のプロポーズ

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そして私は、久しぶりに昴に誘われた夜のデートにはしゃぎながら名古屋駅に向かった。 たくさんの人だかり。 待ち合わせ場所は、人の群れで溢れかえっていて、約束の時間なのに昴を見つけられない。 どうしよう…。 同じ場所に居ても、大好きな人を見つけられないのは私としては不覚だよ。 絶対、見つけてやる! 私は辺りを見渡すと、腕をすぐに掴まれた。 「トシコ?」 「昴ぅ~!」 昴は私をすぐに見つけてくれて、こんな事が凄く嬉しくて堪らなかった。 私は昴の腕にギュッとしがみついて、心細さをすぐに埋めた。 「予約入れてあるから、早く行こう」 えっ?予約? 昴は私の頭に手を添えて、静かに笑う。 「うん」 いつの間にか。 ここがあまりにも、心地がよくて、安心しきっていて。 自然と私は、勘繰りや疑る気持ちが消えていた。 不安なんて一つもない。 離れていると、寂しくもあるけど。 昴はいつもいつも、同じ時間に、 「おはよう、トシコ」 「行ってきます、いつもの時間に帰るからね」 「ただいま、寂しかった?」 「もう寝ようか、トシコ。おやすみなさい」 って、変わらぬ優しさで私に向かって言ってくれるから。
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