冒涜の使者

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「王!もういけませんっ!」 「構わないっ!撃てっ!撃ち尽くせっ!」 部屋の中に流れる映像に、ピラミッドの先端から放たれる光線に、奴等の船が沈んでいくのが映し出された。 「民を守るのが王の務めっ!その為ならば命などくれてやるわっ!撃てっ!撃てっ!撃てぇぇ……っが……ふ……」 激しく叫んだ後に咳き込む王、もう永くはない。 莫大な生命エネルギーを熱に変換して放つ巨大兵器、ピラミッド。 我々がアトランティスやムー、マヤから逃げてきた技術者と協力して作り上げた人類最後の希望。 奴等に対抗する為の手段が他に無かったとは言え、我が国の王家が宿すオシリス神の加護を受けた復活の血。 その血の持つ人ならざる生命エネルギーを放つ事に反対が無かったとは言えない。 だが、それを王がよしとしたのだ。 他に点在するピラミッドでも、王家筋の者が次々と生命エネルギーを注ぎ込んでいるのだろう。 もしかすると既に逝去された方も居るかも知れない。 ただ、王がお決めになられたのだ。 『我らが復活を果たした所で、民無くして王ではない!オシリス神より賜った繰り返すこの命、民の為ならばオシリス神へ返そうぞ!』
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