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幾筋もの光線が奴等の船を焼き付くした。
それでも空を覆う程に膨大な銀の皿は尽きる事を知らない。
やがて、光線が放たれるのは我がピラミッドだけとなっていた。
「無念、誠に無念だ……」
数刻前までは筋骨隆々としていた王は、生命エネルギーを放ち過ぎた為か急激に痩せ細り。声すらも絞り出すようであった。
「この命、くれてやる!ありったけだ!放てっ!」
先程までに幾度か目にした、今までとは違った白ではなく赤い光線。
それは命尽きるその時にのみ放たれるのだと、私は知っていた。
そして光線が空へと消えていく。
王よ、感謝します。
貴方か、貴方達が。
神だ。
攻撃が止んだと見て迫り来る銀の皿が不意に巨大な翡翠色の拳で天空へ突き上げられた。
待ちわびた、待ちわびましたぞオシリス神!
数多の命を天へと返し、冥府よりオシリス神が地を裂いて蘇ったのだっ!
その姿超大にして神聖。
ピラミッドなど一踏みにするだろう巨躯を思わす腕が砂漠を割って突き出し、そこから一気に上半身までが。
なんと神々しいお姿……。
部屋の中のあちこちから感嘆の声が上がり、私は枯れ果てた王の手を握りながら涙した。
王よ、王。
この戦い、我々の勝利ですよ。
その時オシリス神が我々のピラミッドを振り返り、僅かに頷いた。
あぁ!王よ!そこにおられるのですねっ!
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