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『…そうじゃ無くて!』
「――じゃあ何?」
…何って…。
『私が入ってるのに。』
「だから?」
『…だからって…一声掛けてよ…。』
「声掛けたら一緒に入ってくれた?」
意地悪く言う。
『…それは…。』
「それは?」
言葉に詰まった私に更に言い継ぐ。
「此処、俺ん家。風呂入るのに許可必要?」
『・・・・・。』
何も言えない…。
…さっきいやに上機嫌だったのはこの為か…。
そうこうしてる内に彼は髪と身体を洗い終えていたらしく、浴槽に腰掛けて
背を向けた私の耳許で
「――愛希」
囁いた。
不意に近くで呼ばれビクッとしてしまい
『―んんっ―………』
振り向き様に口唇を奪われた。
そのまま深く口付けると
「…朝、オシオキするって言ったろ?」
掠れた声で呟き、また深く口付けた。
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