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『――冷たっ…』
急におでこに冷たい感触が走り、目を開いた。
――此処は…?
「――気が付いた?」
ふと王様の顔が目に入る。
おでこに手をやると冷えたタオルが。
ゆっくり身体を起こすと其処は寝室。
『…――あれ…?』
……さっきバスルームに居たんだよね…?
「――悪い。ちょっとおイタが過ぎた…。」
珍しく王様が謝り、バツが悪そうに俯いた。
――つまり、逆上せたって事?
溜め息を溢し、王様を睨む。
「…悪かったって…。つい…」
そう言い肩を窄め、しょんぼりした。
『…―もうっ…』
呆れていると
「取り敢えず水、沢山飲んで。」
目の前に、なみなみと水の入ったグラスを差し出した。
それを手に取り一気に飲み干した。
『――ぷはぁ…』
「――もっと飲む?」
心配そうに私を視る。
『…飲む。』
急いで彼は水を取りに行った。
ふと、ベッドサイドを見るとテーブルの上に氷と水の入ったボールが。
私は握ったままのタオルを其処に入れ軽く絞って頭に乗せた。
『…冷た…。』
呟くと
「そんなん俺がやるのに。」
戻って来た彼が申し訳なさそうに言った。
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