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シャワーを浴び、リビングに戻ると朝食が出来ていた。
「…昨日みたいに豪華じゃないけど。」
そう言って苦笑いをした。
『充分立派だけど。』
私はテーブルを見渡し言った。
ベーコンエッグにサラダにパン。
カットフルーツにヨーグルトまで。
至れり尽くせり。
「そう?じゃあ食べよう。」
そう言いテーブルに着く。
『…先輩、シャワーは?』
「とっくに浴びたよ?」
…何時に起きたんだろう…。
早起きだな。
そう思いながら私もテーブルに着いた。
「それにしても、愛希があんなに起きないなんて驚いた。」
朝食を食べつつ、笑いながら言う。
『…朝、弱いんです。』
――そう。
朝なんて嫌い。
優しく起こさしてくれる人も、温かいご飯を作ってくれる人も私には居なかった。
最初こそ食事は運ばれていたものの、自分で作る様になってからは、朝食なんて残り物で済ましていた。
普通の朝食なんて何年ぶりか…。
…でも、悪くない。
『――起こしてくれて、ありがとう。先輩は早起きだね?』
お陰で朝食も食べれたし、ゆっくり支度出来る。
「…―あー。俺は親が厳しかったから。習慣みたいな?」
…ふーん。意外。お金持ちってのほほんとしてそうなのに。
…―あぁ。
でも…そういえばお祖父様も厳しかったな…。
まあ、関係無いけど。
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