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資料室へ付き扉を開けた。
会社が大きいだけあり、資料室も広い。
但し、普段はあまり使われないので、会社の棟の端にあり、電気は節電も兼ね疎らで薄暗い。
閑散とした中に莫大な資料が所狭しと並べられていた。
『…はぁ。』
思わず溜め息が出る。
…だいたい、今時、資料室の資料を使うなんて聞いた事無いけど。
そう。パソコンが普及した現代では、大体の資料や情報はパソコンで管理してる為、資料室なんてまず来ない。
気になる事や、判らない事すら検索を掛ければ直ぐ出てくる、便利な世の中だ。
『…もー!面倒臭い!』
私は呟きながら資料室をウロウロした。
資料は綺麗に整頓されていて項目毎に整然と並べられてはいる。
…但し莫大な量の為、その項目
を探すのすら困難だ。
――ホント最近ツイて無い…。
……厄年だっけ?
なんて思って居ると
…――ガチャン―…
―…カチッ…
扉の閉まる音と鍵の締まる音が。
…えっ?
急いで振り返り扉に駆け寄る。
――ガチャガチャ―…
開かない…。
――ドンドンドン!!
扉を強く叩いた。
間違って閉めたなら気付いて開けてくれる筈。
・・・・・・。
無反応。
…もしかして閉じ込められた?
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