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―――――……
「お疲れ様です~!」
『えっ?!あ、お疲れ様…。』
急に声が掛かりビクッっとしてしまった。
気付けばもう終業時間。
声を掛けて来たのは内伊 華穂 ウチイ カホ。
同じ総務課の後輩。
「珍しいですね~!
先輩がボーっとしてるなんて。
考え事ですか~?」
『…ええ。まぁ…。』
「そ~いえば、先輩~。
優奈から話聞きました~?」
華穂がニコニコ頬笑み訊いてきた。
華穂と優奈は同い年の同期で仲が良い。
つまり優奈からの話って事は、
『―――ぇ??
あぁ。合コンの事?』
私は少し困惑しつつ、答えた。
「そうです~!
もちろん来てくれるんですよね~?!」
華穂は何の疑いもなく無邪気に訊いてきたから、私は嫌々答えた。
『―えぇ。まぁ――・・・。』
「良かったぁ~!
先輩ってば、いっつも誘っても全然来てくれ無いんですもん~。優奈に頼んで貰って正解でした~!」
瞳を爛々とさせ嬉しそうに笑い喜んだ。
――それは優奈の気迫に押されてうっかり返事をしてしまった…。とは言えない。。。
『…まっ、まぁ。とにかく!
今日はお疲れ様!私帰るから。
その話はまたねっ!!』
と、はしゃぎ喜ぶ華穂を後目にそそくさとその場を去りロッカー室へ向かった。
取り残された華穂は
「は~い。お疲れ様です~。また明日~。」
と微笑み手を振っていた。
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