don't know love

5/24
前へ
/400ページ
次へ
―――――…… 「お疲れ様です~!」 『えっ?!あ、お疲れ様…。』 急に声が掛かりビクッっとしてしまった。 気付けばもう終業時間。 声を掛けて来たのは内伊 華穂 ウチイ カホ。 同じ総務課の後輩。 「珍しいですね~! 先輩がボーっとしてるなんて。 考え事ですか~?」 『…ええ。まぁ…。』 「そ~いえば、先輩~。 優奈から話聞きました~?」 華穂がニコニコ頬笑み訊いてきた。 華穂と優奈は同い年の同期で仲が良い。 つまり優奈からの話って事は、 『―――ぇ?? あぁ。合コンの事?』 私は少し困惑しつつ、答えた。 「そうです~! もちろん来てくれるんですよね~?!」 華穂は何の疑いもなく無邪気に訊いてきたから、私は嫌々答えた。 『―えぇ。まぁ――・・・。』 「良かったぁ~! 先輩ってば、いっつも誘っても全然来てくれ無いんですもん~。優奈に頼んで貰って正解でした~!」 瞳を爛々とさせ嬉しそうに笑い喜んだ。 ――それは優奈の気迫に押されてうっかり返事をしてしまった…。とは言えない。。。 『…まっ、まぁ。とにかく! 今日はお疲れ様!私帰るから。 その話はまたねっ!!』 と、はしゃぎ喜ぶ華穂を後目にそそくさとその場を去りロッカー室へ向かった。 取り残された華穂は 「は~い。お疲れ様です~。また明日~。」 と微笑み手を振っていた。
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!

98人が本棚に入れています
本棚に追加