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「――遅い。」
下に戻ると車の前で仁王立ちした王様が。
『…昨日、急に泊まったから色々やることあったんです。』
王様は私から荷物をぶんどると車のトランクに詰め、私を助手席に押し込んだ。
「――じゃ行くか。」
何故か上機嫌に言うと車を走らせた。
『…行くって何処に…?』
何だかんだでもう14時半過ぎ。
何をするんだろう…。
「…取り敢えず…買い物!」
『…買い物?』
「そっ!」
やっぱり王様は上機嫌。
そんな彼を不思議に思いながらも車は進み、暫くすると近くのショッピングセンターに到着した。
『先輩、何か欲しい物ある…の?』
マズイマズイ。つい敬語になりそう。
「俺のじゃ無えよ?お前の物を買うんだよ。」
『は?』
「これから半年間、…昨日みたいな事だってあるだろ?ある程度買って置いとけよ。」
不敵に言うその顔は何故かちょっと照れていた。
――またそんな顔する…。
時折見せる少年の様な顔。
つい可愛いと感じてしまう…。
…――ホント謎。
「――ほら、行くぞ。」
つい彼を観ていた私の手を取り歩いた。
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