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そんなこんなで、夕方になり、ちょっとカフェで一息つく事にした。
『お夕飯どう…する?何処か行きたいお店とかあ…る?』
「んー?お前。喰いたい。」
『…いや、そういうんじゃ無くて…。普通の食事で。』
呆れて返す。
「じゃあ!愛希が作ったご飯!」
何か思い付いた様に言った。
『…―え?』
「ご馳走してくれるんだろ?」
意地悪く笑いながら言う。
『えー。』
…正直、料理は出来る。でもそれは一般レベルの話で…。
あんな凝った朝食を作れる人に食べさせるのは…。
それに、今まで誰かに食べさせた事なんて無いから美味しいのかも判らないし…。
『…ヤダ。』
「何で!?」
『あんな美味しい朝食を作った人には食べさせられません!』
「無理。俺はお前の作った料理しか食いたくない。」
『えー…。』
「何でも良いから!前にも作ろうとしてくれただろ?」
『…あれはまだ料理出来るなんて知らなかったし…。』
「兎に角!決定!」
…ほら。やっぱり王子様なんかじゃなくて、王様じゃない…。
『…はーい…。』
溜め息混じりに渋々答えた。
「善し!じゃ買い物行くぞ!」
嬉しそうに席を立ち足早に店を出た。
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