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『…何かリクエストは?』
「何でも」
『…好き嫌いとか…?』
「無い。」
…うーん。何でも良いが一番困る …。
スーパーをウロウロしながら考える。
『…―よしっ!』
「決まった?何?」
『秘密~』
意地悪く微笑み、必要な物を手に取っていく。
…まぁ材料見れば判っちゃうんだけど。
籠の中には色とりどりの野菜達。
それに鶏肉と、海老。
あとは…。
ジャムにチョコレート、それから…。
「…もしかしてカレー?」
籠の中を見て王様が言った。
『――そうだけど?』
私は澄ました顔をし答えた。
色々悩んだ結果、無難なカレーに。
「俺、カレーめっちゃ好きなんだ。」
子供みたいに笑った。
…何となく納得。子供っぽいし。
『やっぱり。』
私も笑いながらルーとコーンの缶詰めを手に取りレジへ向かった。
お会計を済まし外に出る。
もうすっかり暗くなっていた。
時計を見ると19時ちょっと前。
『もうこんな時間。急がないと。』
急いで彼の家に戻った。
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