第1夜

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なるほど。 兄弟がオーナーで経営してるアパートって事か。 きっと、金持ちのバカ息子たちね。 なんか、腹立つわ!! 「お嬢さん。…さっきから眉間にしわがよっていますよ?可愛い顔が台無しです。」 はん、可愛いだって! 思ってもいないくせに! 「とりあえず、自己紹介しませんか?…1つ屋根の下に住むのに、名前も知らないのではちょっと、どうかと思います。…私は、この館の執事で、アリス、と申します。好きな食べ物は魚介類です。」 アリス?まるで女の子みたいな名前ね。…偽名じゃないの…。 しかも、自己紹介でいきなり好きな食べ物とか言わないし。 「俺は館の主、直樹ヘルシングだ。好きな食べ物は甘いもの。」 ハーフには見えないけど?…こっちも偽名かしら?怪しいことに変わりはないわね。 しかもまた好きな食べ物言ってるし。そういう決まりなのかしら? 「あ…あたしは、佐倉と言います。好きな食べ物は…ベジタリアンなので、お肉以外かしら?」 「ベジタリアン?はっ!アリス、お前、馬鹿か?」 「す…すみませんご主人。見た目、肉食系に見えたものですから!」 なんだか、もめてるわね。 「佐倉さん。お肉は全部駄目なんですか?本当に?」 「うん。ちなみにお魚もだめ。乳製品はオーケー。」 それがどうかしたの? うちは祖母がクリスチャンで、家族はほとんど菜食主義者なのよね。
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