第1夜

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「…お気持ちだけありがたくいただきます。」 サラリと拒否された。 「うちの食器、結構高いからな。…いいからアリスに任せておけって!」 どういう意味だ。 「でも…タダで泊まれてタダで食事だなんて、何だか悪くって…。」 「そう思うなら、肉を食えるように訓練しろよな。この役たたず!」 直樹の怒り方が、変だ。 「ああ、彼女はまだ知らないんですか…。」 森下さんがぼそりと呟いた。 「佐倉さん、でしたっけ?…この館に住む以上、きちんと代価を支払ってもらいませんとね…貴女の身体で。」 …は? 目が点になる。 「身体って!?…やっぱり、そういう事?」 館に住む代わりに、夜のお相手を…って事!? 「帰ります、あたし!!」 「帰るって、どこへですか?」 森下さん…目が、怖い。 「おそらく、貴女が想像してらっしゃる意味ではありませんよ?まあ、貴女が美女というならともかく。誰が子供に手を出しますか。」 こ…子供って言ったな! 「じゃあ、どうすればいいんですか?」
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