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男性ばかりのアパートなんて、何だか落ち着かないな。
2階がその人たちの部屋なのだろう。
「さっきは言いそびれてしまいましたが、あの…あたし、こんな立派なアパートに住めるほど、お金、持ってないんです。」
高そうなアンティークの椅子に身体を縮こめるように座りながら、あたしは言った。
お金がないことは悪いことじゃないけれど、口にするのは恥ずかしかった。
「お金は、いりませんよ。大丈夫と言ったでしょう?」
そんなあたしを面白そうに眺めながら、男は意味不明なことをサラリと言った。
「お金がかからない?…そんなの、おかしいです。」
おかしいし、怪しい。
まさかと思うが、実はあたしに住み込み家政婦でもさせる気かしら?
悪いけど、掃除も料理もレベル低いぞ、あたしは。
いや、待て。
ま、まさか…!
この人、さっきご主人様がどうとか言ってたよね?
あ、あたしにご主人様の夜のお相手をさせるつもりじゃあ…!
に、逃げなきゃ!
荷物はいらない!
逃げなきゃ!
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