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4日後、徳山さんが住んでいた新築の家に不動産らしき人が貼り紙をしているのを敏史は見た。敏史は急いで、その不動産らしき人に話しかけた。
「すいません。隣に住んでいる者ですが、もしかして不動産の方でしょうか?」
「はい。A不動産の怪童と申します。」
「この家、一ヶ月前、二ヶ月前ぐらいに完成して、持ち主の方も越されて来たんですが、急にいなくなっているんですが、何かあったんでしょうか?」
「持ち主の方ですか?」
「はい。持ち主の方がこちらに引っ越してきて、すぐに私のところへ挨拶にも来ていたので。とても感じのいい人でしたよ。」
「おかしいですね。持ち主の方はこちらへ一度も住んでいませんよ。」
「えっ? どういうことですか?」
敏史は不動産の言葉に困惑した。たしかに、徳山一家はここへ越してきて、挨拶にもきていた。それは弥生や俊哉も確認しているはずだ。
「ああ。えっとですね………」
不動産の人が話し出そうとしたとき、不動産の人のケータイが鳴り出し、すみませんと頭を下げ、ケータイをとる。どうやら、仕事の話のようだ。そして、話が終わり、不動産の人は電話を切った。
「話している最中すみませんでした。いまから、物件案内に行かないといけないので、すみませんが失礼します。」
そういうと、不動産の人は頭を下げ、車に乗り、どこかへ走り去っていく。
その走り去っていく車を見ながら、敏史は何かモヤモヤとしたものを胸に感じていた。
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