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僕も、「こん」と返事を返す。 一人はいかにも女の子という感じのプロフ画像で、もう一人はロックっぽい感じで男子であろうと考える。  後に、女の子のほうは「美和」と名乗り、男子であろう人物は「陽」と名乗った。読み方が、「よう」なので男子確定であろう。 美和も陽も同じ年で、美和は小学校の時から病弱で、治った今でも学校に行けていないと言う。陽はサボっていたらそのうち行けなくなったらしい。 いろんな事情があるんだなあ。と思いつつ、自分の自己紹介をして、三人で話していた。  美和と陽は、一年前からこのチャットルームを利用しており、最近まで引き籠りの管理人がいたらしいのだが、やめてしまって二人になったところ、僕が入ってきたという。  チャットで、「僕」と言っているのが気に食わなかったのか、陽は「弱々しいやつだな、俺って言えば良いじゃん。」と口出ししてくる。面倒な奴だ。だが、毎回言われるのも嫌なので、チャットでは「俺」ということにした。すぐに日常生活にも浸透しそうである。 引き籠り仲間であるだけあって、意見を分かち合えたり、趣味が一緒だったりと会話がどんどん弾んで行って、気がつけばお昼になっていた。  陽は、「寝る」と言ってルームから離脱。美和と自分だけになっていた。 めずらしいことに、美和が話しを持ちかけてきた。 『私のクラスメイトだった人にもね、そらって名前の子がいたんだ。』 「へぇ。俺と漢字同じ?」 『ううん。空だったと思う。』 「まあ、どこにもいそうな名前だよね。」 『そうだね~。』 癒し系の女子か。心が和む。そういえば、小学校の時自分のクラスにも病弱で休みがちだった子は居たが、病院の事情で引っ越した子がいた。それを話すと美和は、「似てる人がいるんだね~。その人にも会ってみたいな、話が合いそう。」といった。 「普通に可愛いな。」 心の中での自己採点では、あと何かが物足りなく80点ほどだった。きっと、顔を知らないからであろう。 そのあとすぐに美和も「母親が帰ってくるから終わる。」と言ってチャットルームは僕一人になった。  一人でも誰も来るはずがなく、チャットルームのタブを閉じて、ゲームを始める。毎日欠かさずやっているゲームで、変な植物を栽培し、お金をためて楽しむゲームだ。ここでたまったお金はポイントになっていき、3次元のお金にすることができる。僕も妹もここでお金を集めている。
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