プロローグ

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ここまでの道のりは平坦なものではなかった。 勇者が魔王を倒す旅に出たのは3年も前のことだ。 旅の間に仲間となった魔法使い、元義賊、戦士、僧侶は幾多の困難を乗り越え、勇者の隣に立っている。 「いよいよ、ですね」 「短いようで長かったな」 「死亡フラグの建設は止めましょうよ、旦那方」 「そうよ。私達は死にに来たんじゃないわ」 「…姐さん、それ、ギリアウトな感じがしますよ」 僧侶、戦士、元義賊、魔法使いが順に言う。 「魔法使いの言う通り、オレ達は死にに来たんじゃない。だが、この先どうなるかわからない。ここまで来て何だが、危険だと判断したら自分の身を守ることを最優先にしてほしい」 勇者は魔王の城から視線を外し、仲間を見る。 全員が苦笑しながら異口同音に『了解』と言うと、勇者は少しはにかんだ笑みを一瞬浮かべ再び城を無表情に見つめる。 「行くぞ!」 「「「「応!!」」」」
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