プロローグ

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魔法使いの《姿隠し》を施したパーティーは全員がバラバラに別れて城に近づく。 あらかじめ元義賊が調べた警備の薄い箇所から城の中に入るが、その途端、違和感を覚えた。 手薄どころか、生き物の気配を全く感じないのだ。 すぐさま勇者は通信水晶で仲間たちに呼び掛ける。 もちろん、音を遮断する結界をはることも忘れない。 応じた仲間たちのところも同じ状況だった。 加えて魔法使いと元義賊が言うには、城のトラップ系統や感知反応魔法の類いが全て解除されているらしい。 自分たちはなにもしていない。 また、この城の王が他のパーティーに討伐された話も聞いていない。 ――何か、自分たちの知らない、予測できないことが起きている。 勇者の直感はこういう場合外れたことがない。 意識を集中すれば、城のちょうど真ん中に位置する場所に強固な結界を感じた。 恐らくそこに魔王ないしはこの状況を作り出した原因がある。 そのことを伝えれば、おのずと全員がその場所を目指して行くことになった。
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