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◇◇◇
定時には終われなかったけれど、いつもよりずっと早く仕事を終えた私
「お先に」
そう言って会社をあとにする。背中に突き刺さる視線を、なぜか心地よく感じた……
ビルを出る前にトイレに寄る。いつもの私のパターン
電車で三十分。そこから徒歩で十分の我が家に帰る前に、いつもそうする
トイレでホッと一息ついているときにスマホが鳴った
「早由理……」
「え?」
「駅裏のスミノフって店で待ってるから……」
天斗の声
胸が締め付けられるように痛む。これが『恋』だなんて、思いもしなかったけれど、あの続きができるならしてみたい……
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